2018年から2019年にかけて米軍基地でのブリッジプログラムを受講しました。そのときの体験談をご紹介いたします!
この記事は以下のような人におすすめ!
- 米軍基地でのブリッジプログラムに興味がある人
ブリッジプログラムとは
ブリッジプログラムは、米軍基地がある自治体と米軍基地内にあるアメリカの大学による提携事業で、英語を母語としない人を対象にした留学準備プログラムです。
私は横須賀市のプログラムに参加したので、ご参考までに2023年時点で確認できる横須賀市の案内リンクをご紹介いたします。
英語力の目安は英検2級以上で、準1級以上であれば正規コースに入れるため、ブリッジは必要ないかも(物足りないかも)しれません。
募集要項に記載がありますが、概要としては以下のとおりです。(※2023年の募集要項参照)
ちなみに私が受講した時も同じでした。
授業スケジュール
1学期:8月中旬~10月中旬 対人コミュニケーションスキル
2学期:10月下旬~12月中旬 大学教育で必要な総合的スキル
3学期:1月中旬~3月上旬 学業で成功するための総合的スキル
4学期:3月中旬~5月上旬 ライティングと文法の基礎
5学期:6月上旬~7月下旬 ライティング入門
6学期:8月中旬~10月中旬 スピーチコミュニケーション基礎(オプション)
学費
入学金$50+授業料$3,750(5学期分)=$3,800 ¥551,000($1=¥145で計算)
授業日
平日週2日19:00-22:00
応募条件
・高卒以上
・横須賀市に在住、在勤、在学の日本国籍を有する者
※日本国籍の関東学院大学在学生と教職員を含む
・英語資格詳細は募集要項をご参照ください!
なお、上記応募条件の横須賀市在住在勤云々ですが、私が受講した時の同級生の中にブリッジプログラムに参加するために、横須賀市に引っ越してきた方もいらっしゃいました。その方は、ブリッジプログラム後米軍基地で働くという目標を持っていて、プログラムをしっかり修了し、基地にもばっちり就職を決めていて、すごい行動力を持った方でとても尊敬しました!
また、授業日についてですが、その年の受講生が初日に集合した時に、多数決で曜日と時間が決まります。
なので希望の曜日や時間帯になるかどうかは同期の仲間次第になりますので、事前にあまりガチガチに決めず、曜日も時間も余裕を持って参加できる準備をしておくことをお勧めします。
なぜ受講しようと思ったか
私が受講したのは40代半ばで、子育ても終わりが見え始め、仕事も飽きてきて、さて人生後半どう生きたいかと考えた時、ずっと勉強してきた英語をもうちょっと集中的にガッツリやりたい気持ちが高まっていたからです。
横須賀市でこのブリッジプログラムが導入されたのは2014年と比較的最近で、そのニュースを見た時、とてもワクワクしたけれど、仕事と子育てで手一杯なのにプラスで夜間に受講するとか無理だろう、そもそもそんな英語力ないだろうと、弱気でした。
が、やはり興味は持ち続けていて、環境も気持ちも整ったのが2018年だったのかもしれません。
学生時代も留学いいなぁ、外国行きたいなぁと漠然と思いつつ行動力が伴わないまま子持ちのおばさんになってしまったこともあり、せっかく長生きしていて健康だし、このままつまらない仕事をただ続けるだけでなく、やりたいことをやってみようと思い、受講に踏み切りました。
ただ、その前年の募集要項では、必要な英語資格の有効期間が10年以内だったのに、2018年度には7年以内に更新され、当時で9年前に英検2級取得してるから大丈夫と思っていた私は、大慌てで英検2級を取り直し、ギリギリ応募に間に合ったのでした。
最新の2023年版では5年以内とさらに短くなっているので、今後受講している方も気をつけていただくとよろしいかと思います。
授業内容と先生とクラスメート
授業内容は今思えばとてもアットホームでした。一番初めの授業はとにかく英語に不慣れな日本人生徒にベテランのアメリカンの先生がやさしい導入授業をしてくれて、とにかく英語に慣れる、というコンセプトだったと思います。
でもいちおう大学準備プログラムなので、だんだんと授業っぽくなっていき、先生により個性的で内容の濃いものになっていきました。
よく言われるアメリカの学校は宿題が多いというのも体験しました。多すぎて先生も把握できないくらいの量でした。
またプレゼンもよくやりました。
あとディスカッションです。
授業はアメリカ人の先生による英語の授業ですが、熱心に教えてくれますし、日本語を話す生徒も多いので、そこまで英語づくしではなかった印象です。適度な緊張感を持って毎回授業を受けられました。
テキストももらえて、内容が充実していて、貧困や気候変動、オーバーツーリズムなどの世界的な話題について読解しつつ、まじめにディスカッションすること自体、私はとても刺激的で楽しかったです。それを知っていても日常で誰かと真剣に話す機会というのは意外にない、ということに気づきました。また、日本人ではない方が気候変動についてとても真剣に意見を述べていて、心を打たれましたし、そういう多くの意見を聞く機会、経験というのも本当に貴重だったと改めて思います。
クラスメートには、日本人以外にも基地内に住む英語を母語としない他国籍の方も数名いましたし、市内に住むフィリピン人の方も受けに来ていました。でも日本人以外の方は英語がとても流暢でした。
日本人の英語レベルも様々で、仕事で使っていて比較的自由自在に操れる人、私のようにリスニングはともかくスピーキングだとアワアワしたり、ライティングでも1文も書けないようなレベルの人もいました(私です)。それでも、毎回の予習と復習を欠かさず行い、クラスメートと力を合わせて乗り切ったという達成感がありました!
大変だったこと
仕事の後に基地に行って、夜10時まで勉強するのは体力的にきつかったです。
宿題の量も多かったので、授業がない日もかなり勉強していました。
プレゼンなどスピーキングの機会も多かったので、発声練習したり録音して聞いてみたりなど、苦労しました。
ディスカッションは基本英語なので、やはり大変でした。
また後半になるにつれて、スピーキングの機会も増えてかなり毎回緊張の連続でした。
英語力はどれくらい伸びたか
私の場合、プログラム開始当初は英検2級ギリギリ合格レベルで、TOEICも550点くらいでしたが、ブリッジ終了時には準1級に合格し、TOEICも700点くらいになりました。あくまで目安です。クラスメートの中には、TOEIC800点越えの人や900点以上を目標にしている人もいました。
どういう人におすすめするか
いろんなクラスメートがいて、途中で辞めてしまった人も何人かいます。
目的に合わなかったり、家庭の事情だったりいろいろ理由があったのかなと思うのですが、お金もかかるので、なるべく目的に合った方が受講したほうがよいと思います。
まず、先にご紹介したようなプログラム受講後に基地で働きたいという方は十分目的を達成できると思います。
理由として、クラスメートに基地で働く人がいる確率が高いので、直接いろいろ内部情報を聞けること、また週2でも基地に入れることでモチベーションを保ちやすいこともあるでしょう。プログラムの事務局で働くアメリカ人スタッフとも気さくに会話ができるので、最新情報をゲットできる可能性もあるかもしれません。
日本の大学に在学していて、基地内にあるメリーランド大学に編入したい場合も目的としてよいと思います。そういう方も実際いらっしゃいました。その方は卒業までの学費を比較して、メリーランド大学に編入した方がお得だと考えた、とのことでした。
社会人の方でメリーランド大学、もしくは大学院でMBAを取得したい場合も有効です。私はブリッジ終了後にメリーランドのMBAプログラムへ進みましたが、ブリッジの前にはそんなことまで考えていませんでした。ただ、同期の中にMBAへ進むクラスメートがいたので、興味を持って私もチャレンジしてみようと思いました。ブリッジを受けてなかったら到底授業についていけなかったと思うので、ブリッジを受けてからの進学で正解だったと思っています。
メリーランド大学以外の大学への留学を検討している場合は、必ずしも目的に合致しているかはよく確認したほうがよいと思います。まず、求められている英語力はそこまで高くないので、英検準一級以上を持っている場合、レベルが低いと感じてしまう可能性があります。ただ、私の場合、大学での英語エッセイの書き方とプレゼンを何回も実践したのは大きかったですし、特にannotated bibliography(文献解題)はブリッジで習ってなかったら、どうやればいいのか知らなかったので、一通り学べて本当に良かったと思っています。
クラスメートは日本人が多めですが、多国籍で年齢は本当に様々、目的も様々なので、とても刺激を受けますし、大変ですが一緒にがんばる仲間がいることでがんばれます。私の同級生は、20代の現役大学生から50代の方までと幅広い年齢層で、基地で働いている方、自衛官の方、常勤の社会人、あ、そうそう妊婦さんもいらっしゃいました。この方はプログラム中に出産されて2週間ほどお休みしましたが、比較的すぐ授業に戻ってきていて、健康的だし意欲的だし、特に男性陣がその方をとてもサポートしていて、温かい雰囲気がありました。
横須賀市では模擬授業というのを実施しているので、興味ある方はまず模擬授業を受けてみてから判断してもよいと思います!
まとめ
私が実際に受講した米軍基地内でのブリッジプログラムをご紹介しました。
私自身はかなり低い英語レベルで受講してしまったのですが、1年弱のこのプログラムを通して、おそらくクラスメートの中でいちばん成長できたのではと思ってしまうほど、最後のライティングでは自分でもかなり英文を創作できて驚きました。また、カジュアルな修了式も基地内で行ったのですが、修了証だけでなくベストライティング賞ももらえて、本当に嬉しかったです。
平日週2の夜間の授業と山のような宿題はかなり過酷ですが、がんばった分だけ力になると思います。また、多種多様なクラスメートからよい刺激を受け、アメリカ人の先生もとても熱心に指導してくれて感動します。興味がある方はぜひ模擬授業や説明会に参加してみていただければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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