米軍基地の大学(UMGC)でMBAを取得した体験談

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私は、40代半ばの2019年10月から2021年3月にかけて米軍基地内にあるメリーランド大学でMBAプログラムを受講し、無事修了することができました。
費用は当時のレートで125万円くらいです。

全て英語でのプログラムなのでそれはしんどい思いをしましたが、その分、特にReadingとWritingは飛躍的にスキルが向上した実感があります。
また、MBA取得を経歴書にも追加したことで、管理業務やマネージメント職でスカウトしていただく機会も増え、収入も増やすことができました。

具体的な内容を以下でご紹介させていただきますので、MBA取得を検討中の方のご参考になれば幸いです。

この記事は以下のような人におすすめ!

  • 海外MBAを取得したいけど留学する時間もお金もない人
  • 子育て中、介護中などで海外へ行けないけど海外MBAを取得したい人
  • 仕事を中断せずにMBAを取得したい人

メリーランド大学(UMGC)とは

アメリカの大学で、本土以外のアジアやヨーロッパの基地にあるキャンパスは、主に現役または退役軍人さんやその家族のための学びの場として展開されているそうですが、日本人でも就学可能です。
もともと世界中にいる軍人さん達が学べるようにオンラインシステムは充実していたようですが、コロナ禍を経て、さらにオンライン講義を充実させて広く門戸を開いているように感じます。
アメリカの大学はこういうビジネスのやり方が本当に上手だと思います。

期間と学費(2019年当時)

期間:2019年10月から2021年3月(約1年半)

学費:$11376(約125万円※)※1ドル110円で計算
   1学期あたり$1896(約21万円※)※1ドル110円で計算
   入学金:$50(約5500円)

現在の正確な学費はUMGCサイトでご確認ください。

プログラムの内容(受講当時)

全6学期で1学期あたり約2ヶ月半です。各学期のインターバルは2,3週間くらい。
1学期につき以下のプログラムを1つずつ修了していきます。修了しないと(合格しないと)次に進めません。
内容はざっくりとですが、以下のような感じです。
PRO 600:MBAプログラムを受講するための準備的なプログラム
MBA 610:組織論など
MBA 620:ファイナンス
MBA 630:グローバル経営、国際法
MBA 640:マーケティング、テクノロジー
MBA 670:プロジェクト管理、経営判断ワーク
公式サイトを見たところ、現在も同じプログラム名でしたが、内容は少しずつ変化しているかもしれません。

学期が始まるとオンラインでシラバスやプログラム内容が公開されるので、各自で内容確認と、できるところはどんどん着手して進めます。

月に一度(土曜か日曜)、米軍基地(私は横須賀)で丸一日オンサイト授業がありました。
コロナ期間はオンライン授業になり、沖縄やグアムの人たちと一緒に授業を受けたりしました。
授業では講義のほかにディスカッションや、最終授業日にはプレゼンをやったりしました。

だいたい2週間に1つ論文を作成する流れですが、後半になるほど、論文作りつつ、テーマに沿って意見をポストして、他者の意見2つ以上にレスポンスする、というような課題も課せられ、負荷が上がります。
またグループ課題も多いため、メンバーと連絡を取りつつ課題に取り組む必要もあります。

入学要件

英語ネイティブではない場合、英検準1級以上などの目安があるようですが、私の時は、入学時には資格提出は特に求められなかったです。
ただ私の場合は、MBAの前に同じメリーランド大学でのブリッジプログラムを修了し、その際に基地の事務局へMBA受講について可否を問い合わせたので、ルートによっては要件が異なるかもしれないので、UMGC側へ問い合わせるなどして確認してみてください。

また大学で取得した単位の評価が必要です。

私の場合は、WESを利用して評価リクエスト(UMGCの修士課程に入学可能か確認)をしました。
大雑把な流れとしては、
・卒業大学から英語版の成績・卒業証明書を取り寄せ、
・必要書類をWES(などの評価機関)へ郵送し、
・その後結果が届く、
という感じです。
成績評価機関はWES以外にもあるので、必要に応じて調べてみてください。

勉強時間

あくまで私自身の勉強時間ですので、ご参考まで。

MBAプログラム受講中の家での勉強時間は、
平日:3時間
休日:8時間
くらいでしたが、課題提出締切日は、課題の締切が日本時間の23:59までだったので、締め切り前は時間と闘いながら、いつも23:57ごろにえいっと提出ボタンをクリックしていました。
なかなかギリギリにならないとエンジンがかからない私の性格と、私の能力全てを使っても、本当に常にギリギリまでかかっていたという感じです。
1つのプログラムが終了しないと次に進めないので、いつも「もう、ここまでかも」と追い詰められながら、課題に取り組んでいました。

また、この当時の私自身のバックグラウンドとしては、
・中学生と専門学校生の子ども1人ずつ(ある程度の放置は可能)
・派遣社員としてフルタイム労働(予定外の労働はほぼ発生しない、休みも取りやすい環境)
でした。

MBAプログラムを受講してよかったこと

思い返してよかったと思うことは主に以下です。

・世の中を俯瞰して見る癖がついた
・アメリカ人の友人ができた。皆、とても思いやりがあり誠実でスマート
・みんなで助け合って修了を勝ち取ったという達成感を得られた
・ブリッジプログラムからの同級生が3人もいて心強かった
・英語のプレゼンと本当に苦しい勉強を体験し評価されたことで自信がついた
・厳格な学術論文の書き方を身につけることができた
・日本人含め多様な同級生と苦しいグループ課題を完遂させる経験を通し、人種は関係ないこと、理論と誠意と熱意を持つことで課題解決できることを学んだ
・実務ではリーダー経験が乏しかったが、グループ課題を通し貴重なリーダー経験ができた
・プロジェクトマネジメントの提出課題をCEO経験豊富な教授にベタ褒めされた
・教授陣が人格者ばかりで温かく、熱心に指導してくれ、こういう大人になろうと思えた
・私たちは世界をいい方向へ変えることができる、と本気で思えた


また、後日談として
・経歴書にMBAと記載することで、それ以前とは異なる方向からのスカウトが来るようになった
・LinkedInでクラスメートの近況を見て、自分も頑張ろうと励まされる
・何か大変そうな状況が想定されても、英語プレゼンを何度もやり遂げたのだからこれくらい何とかなるだろうと思える
というようなメリットもあります。
まだ卒業して日も浅いので、今後この「点」が私の人生で何につながるのかも楽しみです。

MBAプログラム受講前にやっておけばよかったと思ったこと

SpeakingとListeningスキルです。これはとにかく訓練しかないと理解はしているのですが、グループで取り組む課題など、コミュニケーションに苦労しました。プレゼンも発表前は何度も発声練習しました。今となってはいい思い出ですが、初めの頃はプレゼンの前は吐きそうでした。

まとめ

米軍基地にある大学で実際にMBA取得したらこんな感じだったということをまとめてみました。
普段の自分の仕事を俯瞰して見たり、クラスメートの意見に気付かされること、先生の言葉の深さなど、経営学を通して、視野が拡がったと感じています。調べる、考える、書く、仲間の考えを聞く、質問する、閃く、苦悩する、試してみる、というアカデミックな作業が、今となってはとても愛おしく、社会人で学んだからこそ得られた知見があったと思います。それはきっと資格云々ではなく、自分の血肉になっていると確信しています。
ただ、私が学んだ時の講義内容はアメリカなど先進国が先導する資本主義経済に則った授業内容でしたが、コロナ禍を経て、世界経済も大きく変わってきているので、いろいろな前提も変わっていると感じています。
なので当時得た内容に固執せず、広い視野を持ち続けたいと思っています。

この内容が、海外MBAに興味がある人の参考になると幸いです。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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