派遣社員として4社で通算4年ほど働いた経験があり、それを通して得た知見から、派遣のメリットをご紹介します!
この記事は以下のような人におすすめ!
- なるべく早く社会保険付きの仕事が必要な人
- フリーランスの仕事もしているけど他の収入源も確保したい人
派遣という働き方の良い点
不安定な非正規雇用の代表格、そしてネガティブ用語として定着している派遣社員ですが、以下の良い点があります。
・社会保険付きで生活できる収入を定期的に得られる
・正社員より仕事開始までのハードルが低い
例えば、離婚を視野に入れている、もしくは離婚していてさらにお子さんもいる場合、生活するための収入と扶養家族の健康保険などの社会保険が付いていることはとても魅力です。
またフリーランスの仕事をしているけど、やはりもう少し定期的な収入も欲しい、という場合も派遣は選択肢のひとつになります。
派遣の仕事は専門の担当職が多いので、自身のスキルとマッチするものがあれば、即戦力で働くことが可能です。
週30時間以上働けるなら社会保険も付きます。
一方で最近は、週3程度のような短時間の案件もあります。
また、派遣登録から仕事紹介まで早いと1週間程度で決まる場合もあります。
正社員でも早く決まる場合もあるかもしれませんが、一般的に面接から1ヶ月先以降からという場合が多いでしょう。
派遣社員という立場を利用する
派遣というと立場が弱いとか、給料低いとか、非常にネガティブなイメージで、確かにその部分もあるのですが、派遣社員になる場合は卑屈にならず、存分にその立場を利用するという姿勢でいることをお勧めします。
派遣社員を利用するような会社は大手企業が多いですが、通常の面接では突破できなかった大手企業にたとえ派遣としてでも入り込むことが可能です。
外から見る企業と中から見る企業はやはり違います。
組織には非常に個性的な組織文化があり、それを実際自分で体験することが可能です。
例えば、
IT企業なのにとてつもなくアナログな文化が残っていたり、
華やかなサービス業の従業員控室は見るも無惨な人扱いされない倉庫みたいな部屋だったり、
はたまた、
派遣にも受けられる社員研修教材の質が高かったり、
正社員より派遣を大切に扱おうとするカルチャーが醸成されている会社もあったりします。
自分が消費者としてその企業の商品やサービスを利用することもあるでしょうし、もしくは自分が将来ビジネスを始めた時、法人として関わる可能性があるかも知れず、派遣という立場でその企業を中から知る体験は貴重な経験の一つとなります。
なので、貸与されるPCがしょぼいとか、椅子がボロボロで壊れそう、社員の口が臭い、などいろいろ不満もあると思いますが、俯瞰して、その就業先全体のカルチャーを観察するようにしましょう。
また、目も眩むような学歴や特別高いスキルがなくても大手企業での仕事に携わることができ、またそこの社員たちと仕事ができることも派遣の面白いところです。
外から見ると華やかでも、
中ではとても泥臭いことをやっているとか、
さすがな資料の作り方をしているとか、
社内会議の進め方が「これでいいの?」というレベルだとか、
いろんな現実を見ることができます。
そこから学びましょう。
例えば、それまで自身のビジネススキルが低くても、
その派遣先で具体的な業務を経験することで、そのスキルを獲得し高めることが可能です。
その職場であなたがそのスキルを高めることは、その派遣先にとってもメリットなので、臆することなくどんどん知識を吸収し、技術に磨きをかけましょう。
もうここで学ぶことはないな、というくらい磨くことで、それを持って、次のキャリアにステップアップすればよいのです。
また、2021年労働派遣法の改正により、派遣社員への教育訓練が義務化されたことで、派遣元の派遣会社にも多くのスキルアップ教材があるはずです。
無料で受講できるものがほとんど、もしくは義務として学習時間も時給が支給されることもあるので、こちらも自分が興味があるもの、もっとレベルを上げたいものなど、どんどん活用しましょう。
派遣社員をステップにして次へ行く
派遣社員として働いて1年を目処に、もし今の仕事が面白く、自分の成長の余地もあるのであれば、派遣元の営業担当に昇給を交渉し、更新をしましょう。
1年働いていれば誰でも1年前より成長しているはずなので、
1年前と同じ賃金で2年目も働き続けるということはありえません。
また、昇給交渉するには十分その派遣先に貢献しているという実績が必要なため、日々、自分は何をやってどのくらい貢献したか、また、自身の成長も説明できるようにしておくことが必要です。
例えば、コールセンター業務で最初の3ヶ月ほどは月100件ほど対応していたが、現在は200件対応できており、2倍になっている、などその業務を見ていない担当営業がわかりやすいように、数字が入っていると良いと思います。
もし、派遣元担当営業の対応に誠実さが感じられない場合は、その派遣元のサポートデスクに伝えつつ他の派遣会社に登録して、その派遣会社を見限ると良いでしょう。
もしくはいったん3ヶ月ほど更新し、仕事は継続しつつ別の派遣会社、または正社員の職を探しましょう。
大丈夫です。スキルが向上しているあなたなら、さらに高給の次の仕事がきっと見つかります。
また、1年ほど働いてもうここで学ぶことはないなという状態になった場合も、次のステップに進みましょう。
いちばんいけないのは、契約を切られないからと、同じ賃金で3年も5年も同じところで働き続けることです。
これは、本人だけでなく派遣先も派遣元も思考停止しているために発生する事象ですが、派遣先正社員より古株の派遣社員というような不思議な事例は至る所で散見されます。
これの何がいけないかというと、そういう派遣のお局みたいな人が悪しき慣例になってしまい、後から入った優秀で意欲のある派遣社員がどんなに成長して実力があっても、そのお局以上の仕事を与えられなかったり、賃金も上がらなかったりして、職場全体の成長意欲の低下をもたらし、これが派遣先企業の仕事の質の低下にもつながります。
そのため、派遣社員自身はそこでスキルを身につけたらどんどん次を目指すことが必要です。
もちろん、その派遣先でさらに高いスキルが学べるチャンスがあれば、どんどん挑戦しましょう。
そのときは派遣先から賃金アップと合わせた更新のオファーがあるはずです。
昇給なしに仕事ばかり増えるようなことがある場合は、面倒がらず派遣元の営業担当に連絡・相談しましょう。
派遣社員はこのような交渉スキルも高めることができ、これは後にフリーランスや起業するときにも役立ちます。
正社員へのオファーがあったときは、自身についてよく考えることも必要ですが、後から入ってくる派遣社員のことも想像し、オファーを受けるか決めましょう。
例えば、あなたが派遣で3年働いた後、4年目からは正社員として働いてほしいと言われ、それを受けて働き続けた場合、あなたの後輩派遣社員は「3年くらい働くと正社員になれるかもしれない」と希望を持って働くことができます。
逆にオファーを断って派遣10年生としてその職場の古株として重用され、本人は気分がいいかもしれませんが、後輩派遣社員は10年も居てあのレベルでも正社員にはなれないのか、と希望を持つことはできなくなります。
これは実際そういう職場で働いたことがあり、痛切に感じたことです。
自分が居心地がいいから、という理由だけでなく、自身のキャリアアップや後輩のキャリアアップも考えていけるとよいと思います。
同じスキルでも違う会社で働くと、また違った角度からそれを俯瞰して再認識することができ、自身がどういう環境のほうがより能力を発揮しやすいか、どういう人と働きたいか、ということも自分で認知することもできるようになります。
この多くの職場を体験する、多くの人と働く経験ができる、という点も派遣ならではのメリットなので、大いに活用しましょう。
まとめ
派遣社員は非正規雇用だから良くない!と言われがちで、親にも子どもにも心配されがち、世間から同情されがちですが、実はメリットもあり、そのメリットは最大限使い倒すつもりでいれば、自身の成長にもつながり、また自身が成長することは派遣先だけでなく、社会貢献にもつながるのです。
なので「派遣社員」というワードだけで尻込みしたり、卑屈になることなく、今は生活のためにいったん派遣で働く、派遣で働いてこういうスキルを身につける、など目的が明確なほど次のステップにも進みやすいと思います!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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