これは私が30代で2人目を出産して育休から復帰したあとの話です。所属していた会社の就業規則を変更するプロジェクトを完遂したので、共有させていただきます。
この記事は以下のような人におすすめ!
- 就業規則の内容がおかしいと思っている人
どの就業規則を変更したのか
変更したのは通勤費支給についての内容です。
当時、その会社での通勤費支給の算定は「駅すぱあと」というソフトで算出したもので、以下の規定がありました。
—- 申請された通勤経路の交通費と最も安い交通費を比較し、その差分が片道20分以内の場合は、最も安い交通費を支給することとする
例えば、以下のような感じです。
自宅の最寄駅:A駅
会社の最寄駅:B駅
申請経路 A駅 → X鉄道 → 乗換 → Y鉄道 → B駅 時間:30分、交通費:500円
最安経路 A駅 → X鉄道 → 乗換 → 徒歩5分 → 乗換 → Z鉄道 → B駅 時間:49分、交通費:420円
という結果が駅すぱあとで出力された場合、会社が採用する通勤費は、最安経路の片道420円で、もし短時間経路を使う場合は80円自腹となります。
これを、
—- 最も短時間の通勤経路と最も安い交通費を比較し、その差分が20分以内の場合は、最も安い交通費を支給することとする。ただし所属部門の上長が承認した場合は、任意の通勤経路の交通費を支給する。
という一文を追加することに成功しました。
経緯
それまで私は5年ほどそこで勤務していて、そのときは申請した短時間の通勤経路の交通費を普通に支給してもらっていました。
しかし育休が明け復帰後は、育休前と同じ通勤経路であるにも関わらず通勤費が安いほうでしか支給されなくなったのです。
意味がわからんとなり経理に問い合わせたところ、上記の就業規則通りである、とのこと。
私は上記の例と同じで、最安経路は「駅すぱあと」だと19分余計に時間がかかると算出されたので、規則の20分以内に適合してしまったのでした。
私は育休明け、短時間勤務をしていました。しかしこのときの「駅すぱあと」のアホな経路通りに通勤したとすると、往復で40分もの余計な時間を通勤に費やすことになります。実際は乗換が増えるので40分ではおさまらないでしょう。短時間勤務の意味がありません。
私は上長に相談しました。
そうすると上長は私以上に憤慨してくれ、味方になってくれました。いいヤツでした。
上長は私と一緒に経理への訴状を一緒に作ってくれました。私が作り、上長が添削してよりいいものに仕上げました。
それを経理に提出。しかし突っ返される。再度練り直して提出。しかし突っ返される。部門の課長や部長なども巻き込み、さらに練り直して提出。会社上層部も巻き込んで検討してもらう。
などの大騒ぎを経て、やっとのこと「部門の上長が許可すれば申請した交通費もらえますよ」という一文を追加できたのです。ここまで6か月。それまで私は自腹で差分を払ってました。思い出すと腹立つわ。
それでも、部門の上長、そのまた上長など、みなさん話が分かる人で、当時の経理だけが鉄壁でしたが、なんとか改正することができました。
その後の反響
私はなんとか正規の通勤費をゲットすることができてめでたしめでたしだったのですが、その後しばらく、同じ会社のまったく知らない人からお礼メールをずいぶんもらいました。あるときは直接デスクまで来てお礼を言ってくれる人もいました。すごい!えらい!とそれは賞賛されました。意外でした。
多くの諸先輩方は、長年本来の通勤費より少ない額しかもらえてなかったのに耐えていたそうです。しかもさらに昔は、定期が現物支給で、いつ来るかわからないバスの定期を渡され、それは使わず捨てて電車を使っていたというエピソードまで聞きました。
いや、みなさん我慢し過ぎです!我慢は美徳じゃないです。怠慢です(言い過ぎ?)。
私は本当にマジで怒って、育休もらったけど辞めてやろうかと思ったし、提案書を何度も突っ返されて毎回キレてましたよ。なめんなふざけんなと思ってました。
なので、自分が「あれ?うちの会社、おかしくね?」と思うことがあったら、他の人もそう思っている確率はかなり高いです。なので、本当におかしい、改善したほうがいいと思うことは、まず身近なちょっと権力がある人に相談して味方にしてから、じわじわと敵を攻め落としましょう。
一人で怒って一人で悩んで辞めてしまうのはもったいないし、諦めるのは十分に戦ってからにしましょう。
まとめ
このエピソードは本当に些末なしょうもない事例なのですが、転職面接などで披露するととても喜ばれて、うまくはまると採用されたりするのでときどき使っているエピソードです。皆さん、なにかしら似たような経験があるのだろうと思います。
就業規則も時代やそのときのメンバーなどに合わせて柔軟に改訂していき、所属している人が気持ちよく働ける内容になっていることがベストですよね。ただ、長く勤務している人ほどそれが当たり前だと思ってしまっているので、新しい人や気づいた人が、どんどん提案し、組織もそういう提案を歓迎して一緒に改善していけるようになればよいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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