現在、京都芸術大学の通信制洋画コース2年目です。
2年目ですが、1年目は別件多忙(という言い訳)で、ほぼ今年度が初年度のような感じで学び中です。
卒業までのイメージはまだできないのですが、入学を検討している方などに実際はどうなのかというところを少しでもお伝えできればと思っています。
この記事は以下のような人におすすめ!
- 美大を検討していて京都芸術大学も候補に入っている人
- 社会人で仕事をしながら美大で学びたいと思っている人
- 仕事を引退したり子育てを終えて美大で学びたいと思っている人
費用はこのくらいかかる
1年分の授業料:30万円(※2023年度現在)
授業料とは別に、スクーリング代は別で費用がかかります。2023年度時点では、土日2日間の場合は、16,000円、土日2日間が2週にわたる授業(計4日間のスクーリング)は32,000円の費用がかかります。さらにスクーリングでモデルさんを描く場合のモデル代などは別途費用として請求されます。ちなみに私の場合は、2023年度の12月時点で、授業料とは別に23万円ほど費用がかかっています。今年度は去年の分の挽回のため、スクーリングを取りまくりました。
スクーリングは自分でいつどこで取るかを選び、申し込みが必要です。京都、東京、遠隔から選択可能です。定員が決まっているため、抽選で外れてしまう場合もあります。その場合は、その後定員に余裕がある枠に再度申し込むことも可能です。
また、必要な画材は常に購入が必要で、ご参考までに私が2023年にかかった画材費用は、約78,000円です。私は油彩の全くの初心者のため、すべての道具を今年度買い揃えたため、おそらく他の皆さんよりかかっていると思います。
学生はどんな人たちか
一緒にスクーリングで顔を合わせた限りで、偏っている可能性もあるかもしれませんが、男女比は女性のほうがやや多い印象です。
年代は、50、60代が多い印象です。ですが、20代~80代くらいまで非常に幅広い年代の方がいらっしゃいます。入る年度によっても偏りがあるかもしれないので、ご参考まで。
鉛筆や木炭デッサンのときはそこまで個性が出ないのですが、色を塗り始めると、皆さんの描きたい思いがキャンバスにあふれるというか、その個性がはっきり見えてとても面白いと思っています。その人が今まで経験してきたことや信条や描きたい世界が表現されて、そしてそれは本当にバラバラで、多様性を目の当たりにした思いです。同じモチーフを描いているのに全然違う作品が出来上がったりして、個人的に非常に感動しています。みなさん、アーティストです。
学べること
鉛筆デッサン、木炭デッサン、洋画なので油絵、そしてスクーリングでは水彩もやりました。
「大学」なので単位を取る必要があり、それには実技科目だけでなく座学の単位も取得する必要があります。座学の科目はいろいろな形態がありますが、一般的なものは、テキストを読み、自分で必要な調査もしつつレポートを提出し、レポート合格後試験を受け、試験も合格すると晴れて単位がもらえます。オンラインなので楽勝だとなめていましたが、全く楽勝ではなく、真面目に取り組む必要があることを痛感させられます。しかし、テキストを読んで理解したことを自分の中で咀嚼してからアウトプットするという取り組みはとても知的な活動で、フィードバックももらえるので学びの喜びを味わうことができます。日頃知りたいなと思っていることや興味があることをこの機会に学んでみるというのは、健全で新鮮な行為であると思っています。
また、専門必須科目として自宅でデッサンや油彩などの作品を制作し、合格点を取れると単位がもらえるというものもあります。これもなかなか大変で、自宅なので気軽に取り組める一方、自分ではやり切った(描き切った)と思えても、講評では「まだまだだね」という辛いコメントが返ってきたりします(私の場合は)。どのレベルまで仕上げればいいのかというのは、一度スクーリングに出て、周囲の人の作品を見てみるのがいちばんかと思います。
必須のスクーリング科目もあり、こちらは自分で抽選に申し込む必要があります。オンサイト会場は京都と東京のみ(2023年時点)なので、遠方の人はリモートで参加できるスクーリングもあります。オンサイト会場とリモートはそれぞれメリットデメリットがあり、また向き不向きもあるでしょう。私も初めてのスクーリングで東京キャンパスへ行ったとき、その荷物のあまりの重さと制作時間の長さに疲れ果ててしまい、ちょっとこれはしんどすぎるなと弱気になってしまいました。今思えば初めのほうはまだ荷物が少なかったのですが、大きな荷物を持って電車に乗るということにも抵抗があり、弱気満載でしたが、気持ちを切り替え何度かスクーリングに参加するうちに、顔見知りも増え、他の人の上手な作品を見ながら、互いに切磋琢磨して制作する楽しさに目覚めてきました。スクーリングは土日丸2日、朝から夕方までずっと制作するのですが、これがなかなかに体力を消耗します。それでも一緒にがんばる仲間がいることでがんばれます。私は家で一人で描くより、誰かと一緒にときどき息抜きのおしゃべりをしながら制作するほうが性に合っているように感じます。
スクーリングの終わりには、みんなの作品をズラッと並べて合評をします。先生がコメントをしてくれるのですが、自分の作品だけでなく他の人の作品からも学ぶことが多く、スクーリングのだいご味だと思います。
私はまだ2年次科目(3年次科目も少し)を履修中のため、この先の卒業制作というのは体験していないのですが、まだ基本的な段階でもかなりのボリュームでこれからさらに大きなキャンバスで、というのは楽しみでもあり不安もあります。が、なかなか自分一人では描くことができないのと、やはり先生に直接教えてもらえること、同級生から刺激を得られることなどその環境がありがたいと思います。
スクーリングでどれくらいのレベルの絵を描いているの?というのが気になると思います。私の絵はお見せできない(大学のルールでネットなどに流すのは禁止になっている)のですが、大学がブログで公開している授業風景があるので、よかったら見てみてください。
おすすめポイント
「京都芸術大学」で検索しようとすると、予測ワードで「はずかしい」と出てくるのですが、実際に中に入って学んでいる人ははずかしいとは思ってないはずですし、皆さん本当にアーティストで、はっきり言ってめちゃくちゃかっこいいし、リスペクトしています。気力財力体力がないと学べないので、一般的な職業定年を超えたくらいの年齢の方々が精力的に絵を描いているのを見ると、尊敬以外のナニモノでもないです。年金が少ないとか政府がダメだとか最近の若い者は、なんて嘆きはなしに、純粋にキャンバスに向かって色をのせているその姿は神々しささえあります。すごいことですよ。
純粋に好きだからやっている、描きたいから描いている、そんな平和な世界です。でも皆さんとてもこだわりがあり、楽しく描きたいと思っているし、思ったように描けないときは元気もなくなります。それでもがんばって描いて仕上げる。そんな世界に一緒にいさせてもらえることに私は幸せを感じます。
また、私の場合はIT業をメインでやってきたので、絵具を混ぜて筆でキャンバスに色を置くというアナログ作業がとても楽しいです。制作に膨大な時間がかかるのですが、自宅での制作時に耳ではaudibleを聞きながら、夢中で色を塗る行為が至福の時間です。
私は作品を自分の子どもたち(まぁまぁ大人)に見せるのですが、普段は辛口で私のことをけなしてばかりですが、絵についてはけっこう褒めてくれるのもうれしいポイントです。また、小中高の図工や美術でしか絵を描いたことがない私が半世紀ほど生きてきて、改めて美大で絵を描いて、ときどきでも同級生や先生に褒められるのは本当に喜ばしいことです。もちろん自分でうまく描けたな!と思えたときは本当に晴れ晴れとした気持ちになります。よく出来た絵は人をハッとさせるし、素敵な笑顔にすると思うのです。私はそんな人を笑顔にする絵を描きたいと思います。
また、みみっちいかもしれませんが、学割が効くのも地味なおすすめポイントです。AmazonプライムやAdobeのサブスクリプション、Apple製品、映画館や美術館も学割が効きます。割引より学費のほうが高いかもしれませんが、利用できる割引はどんどん使いましょう!
まとめ
卒業する目処がたっていないので私もまだまだ途上ですが、純粋に好きなことに向き合える時間は貴重ですし、ぜいたくな時間だと実感しています。先生にご指導いただくと少しずつ上達を実感できますし、自分にもまだまだ伸びしろがあるという実感も嬉しいことですし、謙虚な気持ちでいられます。人々の暮らしが豊かになって成長が止まりつつある今、お金儲けではない夢中になれることのひとつとして、もし絵を描くことが好きでまたやってみたいなという気持ちがあるなら、一緒にやってみませんか?ぜひ大学のサイトなどをチェックしてみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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